バイクに関する保険や決まりごと

ABSの義務化

No image

バイクにも義務化されたABSとは

車には以前から見られたABSですが、今ではバイクでも義務化されています。
「Anti-lock braking system(アンチロック・ブレーキ・システム)」の頭文字を取って、一般的に「ABS」と呼ばれる装置ですが、具体的にどのような働きをするのかご存じでしょうか。
簡単に言えば、急ブレーキをかけてもタイヤがロックしないようにする装置のことです。
ブレーキを強く踏み込んでも、センサーが感知して自動的に適正な制動力を保った状態にしてくれます。

バイクのようにタイヤが二輪しかない場合、猛スピードで走っている状態で急ブレーキをかけてタイヤがロックしてしまうと、スリップするのは必至で、転倒のリスクが非常に高いです。
雨に濡れた路面ならなおさら大事故につながる恐れがあります。
ところが、ABSがあればどんなに強くブレーキをかけてもタイヤがロックしないおかげで、車体の安定性を保つことができます。
高速道路で思い切りブレーキをかけても、タイヤがスリップせず安全に減速することができるでしょう。
雨の路面での効果も高いです。

ABSの実用化は、バイクでは1987年のBMWが最初でした。
その後、日本でもホンダが二輪車用ABSを開発して、1992年からは市販車にも装備されるようになっています。
それ以降、バイクの世界でもABSがどんどん普及していった次第です。

なお、ABSとは別に「CBS」という装置もあります。
「Combined Braking System(コンビ・ブレーキ・システム)」の略で、後輪だけブレーキをかけた時に、前輪にもブレーキがかかるようにする装置のことです。
通常はこのパターンですが、装置によっては前輪にブレーキをかけた時に後輪にもブレーキがかかるようにするものもあります。

なお、ABSよりも早くからCBSの開発は進んでいました。
市販車では、ホンダが1982年に大型車に搭載したのが最初です。
ABSよりもシンプルな構造なのでコストも抑えられ、原付バイクなどの排気量の小さいバイクを中心に普及しました。

ABSの義務化とは

2018年10月1日以降の新型二輪車には、ABSかCBSを搭載することが義務付けられています。
125ccを超える場合、ABSの装備が必須で、それ以下の50cc超の原付二種は、ABSとCBSのどちらかが必須となりました。

なお、50cc以下の原付一種は対象外です。
また、継続生産車や輸入車に関しても、同様に2018年10月1日からABS/CBSの装備が義務化されています。
ABSをスイッチ一つでオン/オフできる装置が以前ありましたが、一部の車種を例外として今では装備することを法律で禁止されています。