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エンジンに関する用語

デコンプレッションとは

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エンジンを掛かりやすくする減圧機能

デコンプレッションとはエンジンのシリンダー内の空気を抜いて空気圧を低くし、エンジンをスムーズに回転させる機能のことをいいます。

バイクのエンジンを掛ける方法には、手動式のキックスタート式と、電気でスタートさせるセルスタート式があります。
どちらの場合でも、エンジンをスタートさせる際にガソリンを爆発させるための空気を吸い込んで圧縮させ、点火して排気ガスを排出することで、エンジンをスタートさせます。

セルスタート式の場合は、上記の行程を電気で行ってくれますが、キックスタート式の場合は、キックペダルを踏む人力でスタートさせます。
しかし人の力では、空気を極度に圧縮させるのは困難です。
そこで空気を圧縮させるのを手助けするために、シリンダー内の空気を抜く機能が、デコンプレッションなのです。
デコンプレッションとは、日本語に訳すと減圧・圧力を抜くという意味で、文字通りシリンダー内の圧力を下げてエンジンをスムーズにさせる役割を果たしています。

手動タイプと自動タイプの2つのデコンプレッション機構

デコンプレッションで抜かれた空気は、エンジンの排気パイプから排出されます。
また、デコンプレッションの方法は2つあり、手動で行われるものと、自動で行われるものがあります。
手動で行うデコンプレッション機構が搭載されたバイクには、デコンプレバーが装備されており、このレバーを引くと圧抜きが行われます。
しかし、レバーを引きっぱなしにすると圧縮ができず、エンジンがかかりません。

自動で行われるタイプは、キックペダルを踏み込んだときに、自動的に空気を逃すためのバルブが開いて圧抜きが行われます。
これをオートデコンプと呼んでいます。

どちらのタイプでも、シリンダー内の空気を最大限に圧縮させることで、エンジンがスピーディーに回転し、スムーズにバイクを始動させることができます。
また、キックペダルを踏み込むときに、強い力でける必要がなく、スタートさせやすいのもメリットです。
さらに、無理に空気を圧縮させる必要がなくなるので、シリンダーの劣化や破損などの故障を防ぐ役割もしています。

ヤマハのSR400などに搭載

デコンプレッション機構は、すべてのバイクエンジンに採用されているわけではありません。
1つのシリンダーの容量が350cc以上のものに採用されるのが一般的です。
つまり、比較的大型のバイクエンジンに採用されることが多いのです。
日本メーカーのバイクでは、ヤマハのSR400などに搭載されています。

デコンプレッションの仕組みやメリットを知っておくと、無理にエンジンをかけようとして力任せにペダルをキックする必要がないことが理解できます。
手動式はレバーを引くだけ、オートデコンプなら、操作をしなくてもキックを踏めば自動で作動します。
使い方がとても簡単なのも魅力です。