点火コイルに命令を出すイグナイター
イグナイターとは、エンジンを点火するときに、その働きを制御する電気回路パーツのことで、エンジンを掛けるために無くてはならない重要な部品です。
エンジンを点火させるためには、バッテリーに蓄えられた電気を点火コイルへと流す必要があります。
そして点火コイルから高圧の電気を点火プラグに放電して、火花を散らさなければいけません。
イグナイターはこの点火コイルを働かせるために信号を送る役割をしています。
点火コイルに対して、バッテリーから流れてくる電流を高電圧に変えて、スパークプラグから火花を散らせ！と、指令を送っているのです。
しっかりとエンジンを点火させるためには、可能な限り短時間で、より多くの電流を点火コイルへと流す必要があります。
電気回路はシステム全体で高効率で機能することが求められますが、そのなかでもイグナイターは特に重要な働きをする司令塔です。
このため、イグナイターが故障した場合、修理が難しく、自分で修理するのが困難なケースが大半です。
イグナイターが故障すると……
イグナイターが故障すると、次のような症状が現れます。
まずエンジントラブルです。
バッテリー切れでなど周囲のパーツは正常なのにエンジンが掛からない、走っているときにエンストする、回転数が上がらないなどの症状が現れます。
エンストでは低回転時にエンジンが止まるケースと、高回転時にエンジンが止まるケースがありますが、高回転時にエンストするケースの方が、症状が深刻といえます。
このほか、点火プラグが火花を出さない、アイドリングが安定しないなどの症状が現れることもあります。
故障の原因は経年劣化や熱など
点火がうまく機能していないと感じたら、イグナイターのトラブルが原因かもしれません。
点検・修理に出しましょう。
イグナイターに搭載されている基盤が損傷していなければ、その他の部品の取り替えなど修理することができます。
しかし、基盤まで損傷している場合は、新しいイグナイターと交換する必要があります。
イグナイターの故障の原因は、経年劣化によるものが多いのですが、この他にも熱や湿気が原因で故障することもあります。
炎天下での渋滞などではエンジン周りが非常な高温になりますから、イグナイターにも不調が起こる可能性があります。
もし走っていて、イグナイターが原因のエンジントラブルが起きたら、無理にエンジンを掛けようとせず、安全な場所にバイクを停めて、目視点検してみましょう。
配線がたるんでいる、点火プラグが劣化しているなどのちょっとしたトラブルなら、配線を治したり、点火プラグの交換でトラブルが解消することもあります。
しかし、イグナイターが故障した場合は、イグナイターを交換する必要がります。
イグナイターの故障かどうかの判断は、テスターで行います。
バイクショップに持っていって、テスターで診断してもらいましょう。
