今バイクに主流の水冷エンジンとは
昔は空冷エンジンが多かったのですが、最近のバイクはほとんどが水冷エンジンを採用したバイクとなっています。
水冷エンジンは空冷エンジンとエンジンを冷やす仕組みも冷やすために利用するものが水と空気と全く違うのです。
エンジンはガソリンを使って爆発を起こしそのエネルギーを動力部分に伝えることで推進力を得るという仕組みになっています。
エンジンは常に爆発を繰り返しエネルギーを作っているので冷却しないで動かしていると次第にシリンダーとピストン部分の焼き付きが起こったり、エンジンに重大な支障をきたすことになるのです。
エンジンの回転数が安定しなかったり、アクセルをふかしてもスピードが出にくいなどの不具合も起こりますし、がりがりという異音が起こるノッキング現象が起こることもあります。
こうした不具合が起こらないように冷却する必要がありますが、水冷エンジンはこの冷却を水によって行うのです。
水冷エンジンの仕組みは?
冷却水を利用してエンジンやエンジンオイルを冷却します。
エンジンのシリンダーにあけられているウォータージャケットなどを冷却水が循環する仕組みとなっていて、循環することでエンジンの熱をひやしエンジンのオーバーヒートを予防するのです。
熱を奪うときに冷却水も温まってしまうので、ラジエターで冷却水の熱を大気に排出してからウォータージャケットに戻って冷却し続けるという仕組みを持っています。
走行している間はずっとこの繰り返しを行っていてエンジンの焼き付きなどを予防し、快適な走行ができるようになっているのです。
現代のバイクは水冷エンジンがほとんどで特に4気筒エンジンのマシンはだいたい水冷エンジンを採用しています。
水冷エンジンのメリットやデメリットは?
空冷エンジンは走行している時の風や空冷ファンなどを利用してエンジンを冷やす方法ですが、水冷エンジンは空冷エンジンと比較して冷却効果が非常に高く、排気量が多いバイクでもエンジンの状態を安定させることが可能です。
オーバーヒートするようなことが少なくなり、冷却水によってエンジンのノイズが吸収されるということもあるので遮音性もよくなりました。
非常に優れた性能を持っている水冷エンジンですが、水循環システムを利用するため空冷エンジンと比較して構造が複雑で利用されているパーツも多いので重量が重くなることがデメリットです。
また構造が複雑ということはメンテナンスコストも高くなります。
水冷エンジンの注意点とは?
水冷エンジンはメンテナンスを行わずにいるとエンジンを焼き付けしてしまう可能性があるので定期的にメンテナンスすることが必要です。
冷却水の水漏れが起きていないか、ラジエターキャップなどに不具合がないかといったことを点検する必要があります。
冷却水についても一般的な水とは違い特殊な加工を施しているクーラントという専用の水を利用し、水冷システム内部のサビ付きなどを予防する事も重要です。
クーラントの中にはロングライフクーラントというものもありメンテナンスをしなくてもいいといわれていますが、品質が低くならないようにできれば2年に1回程度の交換をした方がいいといわれています。
クーラントの交換のほかにも、ラジエタープロテクトなどを使い傷や錆などから保護することも考えましょう。