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メンテナンス関係の用語

自動遠心クラッチ

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スーパーカブの特徴

ホンダのスーパーカブは、信頼性と耐久性に優れたビジネスバイクとして長年親しまれています。
特徴的な自動遠心クラッチを搭載し、クラッチレバー操作が不要でありながら手動でギアチェンジが可能な点が魅力です。
燃費が良く、メンテナンスコストが低いことから経済的であるという利点もあります。
デザインはシンプルで機能美に優れ、操作性や扱いやすさが高いため、幅広い年齢層や女性ユーザーにも支持されるバイクです。

スーパーカブが採用する自動遠心クラッチシステムとは

一般的なビジネスバイク(ホンダスーパーカブなど)に採用されている自動遠心クラッチは、ハンドクラッチと無段変速の中間に位置する変速方法です。
クラッチレバー操作が不要でありながら、ライダーがギアチェンジを行うことができる特徴を持っています。

自動遠心クラッチの大きな魅力は、クラッチレバー操作が不要である点です。
1950年代後半に登場した遠心クラッチは当時のハンドクラッチ式マニュアルミッションとは異なり、新聞配達や郵便配達など、繰り返し停止と走行を行う作業において非常に効果的で魅力的でした。
スーパーカブは、無段変速スクーターが普及する20年以上前に自動遠心クラッチを搭載したのです。

自動遠心クラッチは、エンジン回転数に比例した遠心力で作動します。
シンプルな原理で動作し、スクーターのドライブプーリーと同じ遠心力を利用します。
さらにキックペダルの力をクランクシャフトに伝える機能や、変速時に駆動力を切る半クラッチ機構など、複数の機能が組み込まれている点が特徴的です。

スクーターでは、前後プーリーとVベルトによる変速ユニットに一定の長さが必要ですが、自動遠心クラッチはハンドクラッチと同程度のスペースで済むことが特長です。
このためスーパーカブが登場してからVベルト式スクーターが普及するまでの間、遠心クラッチは実用バイクやファミリーバイクとして、女性ユーザーを含む幅広い層から支持を受け多くのモデルで採用されました。
今日では、ホンダ「スーパーカブ110」や「クロスカブ110」などからプレミアム仕様の「スーパーカブC125」まで、自動遠心クラッチを搭載した代表的なモデルとして存在します。
これらは操作性や実用性に優れており、長年にわたって多くのユーザーから愛され続けているモデルです。

ビジネスバイクや実用車においてスクータータイプのモデルが増えていますが、自動遠心クラッチを採用したバイクも一定の需要があることから、今後も市場に存在し続けると考えられます。
特にハンドクラッチ操作が難しいと感じるユーザーや、スクーターの無段変速とは異なる走行感を求めるライダーにとって、自動遠心クラッチ搭載のバイクは魅力的な選択肢となるでしょう。