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メンテナンス関係の用語

ブレーキフルード

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ブレーキフルードの役割

ブレーキフルードは、ブレーキペダル、またはブレーキレバーを操作したときに、ブレーキマスターシリンダーからブレーキキャリパーまで油圧を伝える役割を担っています。
具体的には、ブレーキフルードがブレーキマスターシリンダーから押し出され、油圧がブレーキキャリパーに伝わりブレーキシステムを作動させます。

ブレーキフルードは高温になっても沸点を保つことができるため、長時間のブレーキ使用でも性能を維持することが可能です。
なお、ブレーキフルードが低温になると粘度が上がりブレーキ作動に必要な油圧が得られなくなるため、ブレーキフルードは低温でも適切な性能を発揮する必要があります。

ブレーキフルードの種類

ブレーキフルードは、おもににDOT規格とJIS規格の2種類があります。
DOT規格はアメリカ合衆国の自動車部品規格を基準としたもので、JIS規格は日本産業規格に基づくものです。

また、ブレーキフルードにはDOT3、DOT4、DOT5、DOT5.1の4種類があります。
これらはグリコールエーテルの含有量が異なるため、適切なブレーキフルードを選ぶ必要があります。
DOT3とDOT4は、グリコールエーテルを70%以上含有し、DOT5はシリコン油を主成分としています。
DOT5.1は、DOT3とDOT4と同じグリコールエーテルを主成分としていますが、DOT4よりも高温に強く高粘度なのが特徴です。

ブレーキフルードの交換時期や注意すべきこと

ブレーキフルードは、時間の経過とともに水分を吸収して性能が低下していきます。
特に湿度の高い環境では、ブレーキフルードに含まれる水分が蒸気化してブレーキシステム内に気泡が発生し、ブレーキフィーリングが悪化することがあるので注意が必要です。
そのため、メーカーが推奨する交換時期を守り、その時期が来たら定期的に交換するようにしてください。
交換時期はブレーキフルードによって異なりますが、一般的には2年~3年ごとに交換することが推奨されています。

また、ブレーキフルードは油圧の伝達に関係するため、品質には十分な注意が必要です。
不適切なブレーキフルードを使用すると、ブレーキ性能が低下したり、ブレーキフルード自体が劣化してしまいブレーキシステム内で腐食が進むことがあります。
そのため、メーカーが推奨する規格のブレーキフルードを使用することが重要です。

ブレーキフルードを交換する際には、新しいブレーキフルードでブレーキシステムを完全に洗浄し、古いブレーキフルードを完全に排出することに注意しましょう。
さらにブレーキフルードは塩素系の溶剤に弱いため、交換作業時には注意が必要です。